バレリーナ
こんにちは、Touria(トゥーリア)のやまやです。
みなさんは「バレリーナ」と聞いて何を思いますか?
私の「バレリーナ」はこの写真のバレリーナ、という品種のチューリップです。
年に一度のこの季節、公園でこのバレリーナを見ると「よし、頑張るぞ!」と懐かしく、初心に返る気持ちになれるのです。
なぜか、というと。
…私のホテルでの企画広報室時代に記憶は遡ります。
ホテルに入社してある先輩から言われた言葉。
「ホテルはひとつの街なんだよ。」
表も裏も、それぞれの分野のプロフェッショナルが集まり、
一人一人のお客様へ最高の思い出となるエンターテイメントを提供する。
だから妥協は許されないし、みんな真剣勝負なんだよ、と。
当時の私はホテルの表舞台を支える後方支援部門。
より多くのお客様にこのホテルの魅力を伝えるために常に意識を配る、そんなことを企画広報室の先輩達の背中から教えてもらいました。
そのホテルの魅力をアピールするツールのひとつに季刊誌があり、毎年コンセプトを考えそれに合わせて表紙から決めていく。
ある年の表紙テーマは「ホテルをイメージする季節の花」。
その表紙の撮影は専属カメラマンのスタジオで撮っており、その立ち会い担当は先輩だった。その先輩の感性は繊細でかつ現場においてはプロフェッショナル。
スタジオから戻った先輩に翌月の表紙写真のポラロイドを見せてもらい、トリミングや色の見方、決めとハネの見分けかたなど沢山のことを教えてもらった。
当時の私は、技術を持つ経験者は皆プロフェッショナルだろうけど、自分はただの人。そう思っていた。
ある日、私もスタジオへ同行してもらえることになった。
すごく嬉しかったのを覚えている。
スタジオにはカメラマンとアシスタント、デザイナーそして先輩。
全員プロフェッショナルな集団。
その中に自分居ることが嬉しかったし、ものすごく緊張した。
その時撮影でデザイナーが用意した花。
それが「バレリーナ」。
初めての現場で、初めて見たバレリーナという名前のチューリップ。
オレンジ色のそれはスタイリッシュでかっこ良く、綺麗だった。
…バレリーナを見ると、若かった自分を思い出す。
口だけは一人前で虚勢を張り、先輩の背中に隠れていた自分を。
近所の公園の花壇でバレリーナを見つけてからは毎年の楽しみとなっている。
あの時見たのと同じ色の「バレリーナ」
今年もまた見事に咲いている。
緊張感と誇らしさ、そして喜び。
私もプロフェッショナルになる!そう思った記憶。
8年ほどのホテル時代は、精神的にも肉体的にも死ぬほどキツかった。
でも、
だからこそ手に入れられた。
だからこそ、今の私が在る。
それは自分だけの『経験と言う名の宝物』です。
キツかったと言いながら、今、思い出すのは良い思い出ばかり。
大変だった時の映像が再生できない(笑)
記憶とはそういうもの。
辛い時
苦しい時
その渦中にいるとそう思えないだろうけど、
でも、必ずこえられるからね。
そして、こえた先で振り返ると「あの時に自分は成長していたんだ」と自分を誇りに思える瞬間が来ます。
その記憶の隣にはあなたと共に笑っている大切な人達の顔も見えるはず。
だいじょうぶ!
今、頑張っているあなたにこの笑っているように咲く「バレリーナ」を贈ります。
Have a precious life, love, Touria.