蛍の庭
こんにちは、Touria(トゥーリア)のやまやです!
足首に数カ所虫刺されの痕が…子供みたいで恥ずかしいけど、思い出深いんです。
この虫刺されは、沖縄での仲間達との最後の晩餐、2軒目のとても素敵なイタリアンにて…。
実はそこで私は人生初の「ぶっかけをされる」経験をしました。
「ぶっかけ」とはお客様に飲み物をかけてしまうことを指すホテル業界での隠語です。
なんかこの子あやしいなぁ〜と思ったその瞬間に背中に冷たいビールが…。
その時頭に浮かんだのは専門学校時代の教え子達の顔でした。
ホテル学科で10年サービスマン育成の指導をしてきました。現場を知るために実際のホテルに研修に出します。緊張し「研修が怖い」といって涙ぐんでいた学生達の姿。研修先でいろんな失敗して、成長して帰ってきてたよなぁ〜と。
目の前の引きつっているそのスタッフが当時の教え子達とかぶり、愛おしいなぁ…と思いました。
私はビックリしたけど、怒るという感情はなかった。だから「大丈夫よ」と一言。
店長がすぐ飛んで来て「クリーニングを」という申し出はお断りしました。洗濯機で簡単に洗える上着でしたからね。
同席していた仲間の一人が機転を利かせてくれて、屋外の席に移動する提案をしてくれました。ナイス、気遣い!素晴らしい庭園で夜風が気持ちよかった。
でも、気になって店内を振り返るとその女の子が泣きながら床を拭いており、
しばらくして、再度謝りにきました。
泣きじゃくる彼女を見て、この子は成長するなぁ、と感じました。心が逃げていなかったから。お客様の優しさに甘えちゃダメだ、しっかりと謝るんだ!と自分に言い聞かせているようでした。「クリーニング代受け取ってください!」と泣き崩れていた。
お金を受け取ることで彼女の心は救われるかもしれない。でも、その解決法を私は選びたくはなかった。せっかくの失敗を無駄にさせたくはなかった。
だから、彼女の恐怖を取り除きながら、大切なことをお話ししました。業界に生きる後輩のための助言として。
自分もサービス業出身であること。
あなたの今の心境は自分にも覚えがあること。
ぶっかけを許してくれる客は稀であること。ぶっかけを二度としないためにこの経験を生かさなければならないこと。
まず第一歩はトレーの持ち方を工夫し、毎日練習すること。
…貴方が泣いている間に店長と料理長がお詫びに来てくれて仲間があなたのフォローにすぐ入っていたこと
…すみません、だけではなく、みんなに「ありがとうございます」も伝えること。
失敗は誰にでもあることです。
失敗が問題なのではなく、対処の遅さや放置。失敗を招いた要因の振り返りをしないことが失敗や問題を生み続けます。
失敗とは経験値。
次の成功のための道標です。
泣きやんだ彼女に「じゃぁ、美味し〜いビールをお願いね」とオーダー。
次に私の目の前に現れた彼女はキリッとした笑顔を浮かべていた。
最高に美味しいビールでした!
その庭でこれまた私の人生初「蛍」と出会いました。感動した。
綺麗だったなぁ…。小さな蛍があんなに強い光を発するなんて…。
素晴らしい庭に舞う沢山の蛍の光…幻想的な光景でした。
ぶっかけがなければ、外に出ることはなかった。
外に出なければ、蛍を見ることは出来なかった。
虫刺されを見て思い出すあの夜の記憶は、蛍が輝く庭での信頼する仲間との心地いい会話。足首を掻きながら笑っている自分。…最高の時間でした。
一見ネガティブに思える出来事も、捉え方ひとつで良くも悪くも展開できます。
感情に呑み込まれずに、瞬間瞬間を自分の心に問いかけ選択していく。
自由な思考、自由な心で生きる。
自分の心地の良い人生のために。
Have a wonderful life, by Touria!
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